教採体験談インタビュー 第9弾(千葉県・千葉市・中学校) その2

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目次

1 はじめに

第9弾の今回は、千葉県・千葉市の教員採用試験(中学校・国語)に合格された方に、教員採用試験の対策方法や、アドバイスについてお話を伺いました!

その1では学校の先生を目指そうと思ったきっかけや筆記試験・集団討論の対策などについてお聞きしました。その2では模擬授業や面接についてお聞きしています。併せてこちらの記事もご覧ください。

教採体験談インタビュー 第9弾(千葉県・千葉市・中学校) その1

2 模擬授業の試験について

模擬授業の試験はどのようなものでしょうか?

制限時間5分の中で、場面指導か単元指導を行ます。どちらをやるのかは当日指定されます。場面指導では、子どもの行動に対して適切な対応を考え指導を行います。単元指導では、自分で学年や単元を決め、授業の導入部分をやります。当日私は単元指導を指定され、時間内にアクティブラーニングを取り入れなければならないという課題が課されました。単元指導とはいっても、教科書は必要なく、指導案を提出する必要もないので、自分の好きなように指導ができました。

どのように授業内容を考えましたか?

教育実習をもとにして考えました。実際に教育実習で教えた経験を模擬授業で使うことができました。単元指導が当たる確率の高い千葉県の場合は、特に教育実習の経験が非常に大切になってきます。

どのようにアクティブラーニングを模擬授業に取り入れましたか?

私が教育実習のときに教えたのは『奥の細道』で、昔と今の例えの表現や言葉の違いを学ぶ授業を行いました。だから、模擬授業でも芭蕉が例えに用いたところを題材にしました。教育実習での自分の経験を活かして、普段の生活の中で使う言葉に言い換えられる表現を考える活動を取り入れました。

工夫や意識したことを具体的に教えてください。

本文を読んで訳を説明して終わりにならないことと、古典が身近なものに感じられる授業にすることを心がけて授業案を作っていました。昔の事実確認で終わらず、今だったらどうなるだろうと考えることで、古典の世界を自分たちの生活に当てはめることができるような授業づくりを意識していました。

また、『発問によって子どもたちに気づかせたいことはなにか』を常に考えていました。『授業中の活動がどのように子どもたちの成長につながるか』ということを教育実習中に担当の先生からよく言われていたので、目的をもって授業づくりをするようにしました。模擬授業全体で、板書や話し方についてもよくみられますので、集団塾のアルバイトでの指導もとても役に立ちました。

『奥の細道』で現代と結びつけたところを具体的に教えてください。

作品中に、旅が生活になっている職業の例として、『船の上に生涯を浮かべ』る船頭、『馬の口とらへて老いを迎ふる』馬子が登場します。この職業の人たちは日々旅をしていることから、旅を自分の家としていると芭蕉は書いています。船頭は今でもイメージしやすいですが、馬子はイメージをすることが難しいです。そこで、馬子は昔の移動手段であった馬を貸していた人だと子どもに伝えることによって、そこから現代の職業に結びつける活動ができました。これらの教育実習での経験を、模擬授業でも活用しました。

アドバイスはありますか?

制限時間の5分ぴったりで終わる人と、5分経過したことを知らせるタイマーが鳴ってから終わる人がいたので、持ち時間を意識してジャストに終わる練習をするとよいと思います。

3 面接対策について

どのような対策をしましたか?

面接ではいろいろなテーマが課されます。「こういうことについてあなたはどう思いますか」「このようなときあなたはどう対処しますか」など聞かれることはある程度予想できるので、まずは予備校の授業でアドバイスされた通りに、自分なりの考えを紙に書いてまとめていきました。

意識したことは何ですか?

質問に対する答えが長くなりすぎることも短くなりすぎることもないようにしました。長すぎると面接官は話を聞いてくれませんし、短すぎると面接官に自分の考えをもつことができていないという印象を持たれてしまうため、だいたいどの質問が来ても答えの長さが同じになるように話題を準備していました。内容についてはできるだけ主観で語るのではなく、客観的な事実とその事実に対する自分の意見を述べるようにしていました。

客観的な事実をインプットする方法は何ですか?

予備校のテキストを使って勉強したり、教員採用試験の面接対策の本を買ってその本を読んだりしていました。そして、本に書かれていることや過去問をコピーして「こういうことを聞かれたら、こういうふうに答える」というのを見開き1ページでノートにまとめました。そのようにして、一目見て分かるようにしていました。細かくインプットしたというよりは、おおまかにどんなテーマについても答えられるように練習しました。このことが何を聞かれても大丈夫だと自分で安心できる1つの材料になりました。

やっておけばよかったことは何ですか?

自分一人の作業で完結しがちだったので、実践形式で練習する機会があまりありませんでした。筆記試験までは筆記に全て集中しようと思っていたので、面接の対策をしていませんでした。いざ面接となると、予備校の面接対策の予約が取れなくて、数えるほどしか模擬面接をすることができませんでした。質問に対する答えを考えておくだけでなく、実践形式で行う練習も大切なので、模擬面接の回数をしっかり確保できるように計画しておくべきだったと思います。

本番で聞かれたことは何ですか?

事前に練習していたことを聞かれたので落ち着いて答えることができました。具体的には以下のことを聞かれました。

  • 中学校を選んだ理由
  • 国語を選んだ理由
  • 千葉県を選んだ理由
  • 千葉県の教育のよいところ
  • 千葉県の教育の良さを自分の教育に活かす方法
  • 教育実習中に心に残ったこと
  • 自分の強み
  • 学生時代にやっていたこと

4 全般について

一番対策しやすかったのは何ですか?

専門教科です。今まで自分が大学で勉強してきたことがそのまま活かせるからです。大学のセンター試験のレベルだったので、落ち着いて解くことができました。

一番対策しにくかったのは何ですか?

集団討論です。トピックに対する発言だけでなく、発言のバランスやタイミングも大切なので、その点が対策しにくいと思いました。自分の想定した流れで進まないところが難しかったです。

最後に教員を目指す方に一言お願いします。

採用試験の勉強は多岐にわたるもので大変だと思います。しかし勉強した分だけ成果は出ますし、子どもへの対応の仕方は、実際に先生になってからもそのまま活かせる知識や経験になります。教員採用試験を通して勉強していることがその先にも役に立つという意識を持って、これからも頑張ってほしいと思います。

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6 編集後記

試験内容を具体的に話してくださっていたので、本番当日の流れをイメージすることができました。
(文責・編集:EDUPEDIA編集部 徳田 美妃)

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