1 はじめに
第6弾の今回は、東京都の教員採用試験に合格された方に、教員採用試験の対策方法やアドバイスについてお話を伺いました。その2では、面接、集団討論、模擬試験についてご紹介します。
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2 面接
どのような対策から始めましたか?
対策を始めたのは、大学4年生のときでした。教採を受ける大学の友人と対策をしたり、教授が手伝ってくれたり、大学のOB・OGさんが3週間に1回くらいの頻度で対策をしてくれたりしました。OB・OGさんには「なぜ先生になろうと思ったのか」というような、自治体関係なく出題されることを質問してもらい、それに答えられるように練習しました。本格的に対策を始めたのは一次試験が終わってからでした。
対策のときに意識したことは何ですか?
意識したことは、短く答えて試験官に質問してもらい、それに答えることです。
また、その場で考えて適当に答えるのではなく、自分の答える型をしっかり決めておくことを意識しました。友人の回答を参考にするのも型を決めるための1つの方法です。自分だけで考えると最高のように思えた回答も、友人の回答を聞くことでさらによいものにすることができました。
面接の対策は、友人と一緒にやっていて本当によかったと思います。私は、本番の2週間前には毎日友人と練習していました。たくさん練習した分、どのような質問がされるかを自分の頭の中である程度想定できている状態で本番に臨めました。
3 集団討論
☆平成31年(令和元年)度実施の試験内容はこちら(東京都教育委員会HP)
どのような対策をしましたか?
教採を受ける大学の友人と一緒に練習していました。面接より回数は少なめで、1~2回過去のテーマで練習しました。東京都の場合、一次試験の合格通知と一緒に集団討論のテーマが4つ提示され、本番ではその中の1つが出題されます。初めに、30秒間自分の意見を言う時間があるので、テーマごとに話すことを暗記しておき落ち着いてスタートできるようにしました。
集団討論では、「生命尊重の意識を育むために取り組むべきこと」などを聞かれます。このような質問に関して、教授は学生の発言内容を学習指導要領総則の言葉を使って直していました。もちろん自分の言葉で話すことも大切なのですが、総則に書いてある言葉を使うのもよいと思います。
学習指導要領総則の内容を覚えたのですか?
私は、総則の内容を覚えるというよりは、それを辞書のように活用していました。「確かな学力や学びに向かう力についてこのように書いてあるのだな」ということを確認しておくと、学びに向かう力の育て方を問われたときに、「総則にはこのように書いてありますよね」と言うことができます。これによって、しっかりと勉強しているのだということを試験官に伝えることもできます。
アドバイスをお願いします。
やっておいてよかったことは、タイムキーパーやファシリテーターなどの集団討論の中での役割を経験しておくことです。「時間を見ておきますね」などと言えると、試験官に空気が読める人だと思ってもらえるかもしれませんし、「AさんとBさんは意見が似ていますね。Cさんはどのように思いますか?」などと言えると、円滑に議論を進めることができる人だと見てもらえると思います。しかし、これらの役割を決める必要はないと言われるので、あくまで自然に振る舞いながら、周りの人と協力してできるとよいと思います。
4 模擬試験
どのように活用しましたか?
模試を受けたのは、大学3年生の12月と3月でした。そのときは私は、就活をしていたので教採の勉強ができておらず、試験がどのようなものかを掴むために受験しました。模試の内容は、東京都に特化したものではなく、全国的なものでした。勉強し始めてから受験しようと思ったらすでに受験できなくなっていたので、3年生からの勉強をおすすめします。
5 学生へのメッセージ
私は、教採を受けるか就活をするかで迷っていました。今の教採は一方に集中しなければならないほど大変なものではないと思うので、迷っているならどちらもやってみるとよいと思います。
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7 編集後記
自分なりの回答の型を持っておくと、本番でどのような問題が出ても落ち着いて答えられるのだと思いました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 小林奈菜)
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