教採体験談インタビュー 第3弾(Hさん・小学校)

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目次

1 はじめに

第3弾の今回は、お茶の水女子大学に在学中に教員採用試験に合格されたHさんに、取得したきっかけ、教員採用試験の各試験の対策方法や、アドバイスについてお話を伺いました!

小学校の先生になろうと思った理由はなんですか?

小学校の先生になろうと思った理由は前向きなものではありませんでした。小学5年生までは素敵な先生方が担任をしてくださっていて、小学校の先生って素晴らしいな、と思っていたのですが、小学校6年生のときの先生は好きになれませんでした。でもその反面、今まで5年間は素敵な先生たちと関わってきた分、6年生のときの先生を越えられるような先生になりたいと理想の先生像がより鮮明に見えるようになったのが理由です。

また、もとから子どもと関わる仕事に就きたかったことも理由の一つです。小学校は授業をする上に生活指導もするということで、教科担任制の中学校や、それ以前の幼稚園や保育園とは異なってバランスを取らなければならないのが難しいところであり楽しいところであると思っています。

教育に携わる仕事は多岐にわたりますが、なぜ小学校の先生を選んだのですか?

子どもと関わるときに、お金を考えることは考えたくなかったからです。塾や教材を作る仕事はどうしても企業として子どもと関わる中で利潤の追求が関わる反面、公立の小学校の先生であれば利潤とは関係ない所で子どもと関係を築くことができると思っています。また多くの子ども達に人間関係を築くことの楽しさ、学ぶ楽しさを知ってもらえるのは先生でないとできないかなと思っています。

教育採用試験の対策としてはどんな対策から始めましたか?

具体的な対策をしたのは大学4年生からです。私は他の人と違って大学推薦の枠をもらうことができて教職教養が免除された状態でした。そのため参考になるかはわかりませんが、まず過去問を確認してどんな問題が出題されているのか、今の自分の力量で立ち向かうことができるかを知ることから始めました。

2 志望理由書について

勉強法やアドバイスをお願いします。

特に対策を行っていません。アドバイスとしては、私は大学でまんべんなく学んだ一方、科目の専門性がありませんでした。志望理由書は、科目的な面で私の強みを自信を持ってアピールすることができなかったので、アピールできるような経験を積んでおけばよかったなと思っています。まんべんなく教える小学校だからこそアピールする部分を考えていかないといけないといけないなと思いました。

3 専門教養について

勉強法を教えてください。

4年生の6月から対策をはじめました。普段から、小学校のボランティアに行っていた上に、塾のアルバイトをしていたので、特に苦手な教科はありませんでした。そのため、過去問を解いて出題形式を確認しました。

学習指導要領の内容に関しても専門教養は出てくるため、そこについてはちゃんと読み込む必要がありました。特に私が受けた年は、再来年度から新学習指導要領に移行する年でしたので、どちらが出るかというのが定かではなかったため、両方の比較をしました。

勉強をするときに意識した意識した点は何ですか?

専門教養の勉強は既存の知識で勝負した部分が大きいです。ただ、私が持っていた問題集は頻出の範囲が赤抜きしてあったので、その部分について勉強しました。

4 面接対策について

どのような対策から始めましたか?

私が取得した東京都の場合は、予め指導案を作っておくというものが課されていて、指導要領をもとに話を進めていくのが個人での面接となっていました。私はあらかじめ指定した教科が理科だったので、理科に関して聞かれることは分かっていました。そのため、行う実験の注意点や、実験室の使い方を自分で説明できるように念入りにチェックしていました。対面での練習は、ボランティア先の学校の校長先生にして頂きました。

対策にあたって意識したことはありますか?

話すことを台本にしすぎると棒読みになってしまうため、話し合いの流れで自然に喋るように心がけました。また、事前に緊張する相手である校長先生と練習をしていた分、あまり緊張しませんでした。そういったつながりを利用して、一度は面接の練習をした方が良いかもしれません。

5 集団討論について

対策でやっておけばよかったことはありますか?

集団討論は一度も対策をせずに臨んでしまったので、就活生に混ざって練習しておけばよかったなと思ってます。集団で話すことに抵抗はありませんでしたが、みんなの意見をうまく聞いて話すのがあまり得意でないならば、就活生のグループディスカッションに混ざってもいいかもしれません。

アドバイスをお願いします。

流れの中で役割が決まっていくので、事前に誰がどの役割になるかわかりません。どんな役割でも、ある程度こなせるようにした方がいいと思います。私はみんなの意見を整理したうえで自分で発言するタイプでしたが、自分をアピールすることが出来ました。どの役割でも自分をアピールする機会はあると思います。

6 論文対策について

どのような対策から始めましたか?

具体的な対策を始めたのは大学4年生の6月から7月でした。1つは、自分の経験だけだと説得力があまり出ないので、私は教育時事に目を通して流れをつかんでおくことでその時勢に合った自分の教育観を固めていました。

また論文は、字数や章立ての仕方は書いてみないと感覚がつかめなかったので、実際に書いて自分で推敲をしていました。

時間配分や形式面で意識したことはありますか?

書き始める前に、各章の構成を考えてから肉付けをしていくことを意識していました。具体例を書くと字数が足りなくなるので、大体4つの段落のどの2つでどのような具体例や時事の問題を出すかを最初に考えて書きました。

参考にしたテキスト等はありますか?

「教員採用試験 速攻の教育時事」です。それは6月頃に購入しました。その参考書は論文対策というよりは、最近の教育現場の流れや、学習指導要領などがトピックごとで詳しく書かれていたので、それを読んで自分で教員としてどのようにしたいかを頭の中で考えるようにしていました。

7 全体を通して

一番対策がしやすかったのは何ですか?

専門教養です。日頃からの積み重ねが大きいため、差はつきにくいかもしれませんが、対策はしやすかったですね。短期間で対策ができるので、できれば論文で差をつけるためにネタになりそうなエピソードを仕入れることに時間を使った方がいいと思います。

教育実習中はどんな対策をしましたか?

教員採用試験のための勉強はしませんでした。実習に集中したいと思っていたからです。また、大学1年生のときから学校現場に携わっていた分、論文で対応できる体験を持っていたので、アドバンテージがあるという自信がありました。そのため、実習が終わってからの1ヶ月間で勉強していました。

最後に教員採用試験を受ける方にアドバイスをお願いします。

やればやるだけキリのない勉強だと思っていて、全部を完璧にするのは難しいと思います。特に小論文に関しては、実際に自分が何点かわからないから不安でした。

全体を通して、私は日頃からの生活で教育と関わり続けたことが自分の唯一の良かった所だと思っているので、先生を目指しているなら、現場と関わり続けて自分ならどうしていきたいかを考えるといいと思います。

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9 編集後記

限られた時間の中で、どれに時間を割けばいいのか、どのような対策をしたらいいのかを聞くことができてとても参考になりました。差がつきやすい論文対策は、日頃から教育現場や教育時事に目を向けることで早いうちから対策できることが大切だと感じました。
(EDUPEDIA編集部 安藝航)

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