楽しい 美味しい 給食

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楽しい給食のために

給食の時間は、学校に来て子どもたちが最も楽しみにしている時間の1つでしょう。(先生も!?)
食育指導には、次のようなことを理解したり、身につけたりするという目標があります。
・栄養の偏りのない食事
・栄養素の種類と働き
・食生活が多くの人々により支えられているということ
・命の大切さ

いろいろな目標がありますが、私が給食で大切にしていることは「みんなで、楽しく、美味しく」食べることです。
 子どもによっては、家ではひとりでご飯を食べていたり、学校の給食以外にご飯を食べていなかったりする子もいるかもしれません。ご飯を食べるのが楽しいなと感じる。その気持ちがあって初めて、栄養に気をつけた食生活や命を頂く有り難さなどに心が向くのではないでしょうか。

楽しい給食にするために、定期的にお楽しみ給食をします。
 例えば、学期の最後の給食は、全員の机を四角につないで食べます。みんなの顔が見え、パーティーみたいな気分で食べられます。他には、その月が誕生月の子におかわり優先権をあげたりします。毎回、他の月の子から「いいなぁ。」という声が挙がりますが、「全員一年に一回あるんだよ」と伝えると、しぶしぶ納得する姿も面白いです。
 また、誰かが美味しく食べている姿を見ると、自分も美味しく感じることがあります。食べっぷりの良い子を見ると、こちらまで気持ちよくなることがありますよね。食べながら「ん~、美味しい!」、食べ終わったら「あ~、美味しかった!お腹いっぱい!」と言ったり、「◯◯(子どもの苦手な食べ物)を食べないの?美味しいなぁ。」と話しかけたりして、美味しく食べる雰囲気を大事にします。
 学校という場で、「みんなで食べると美味しい」と思えることは、1日の中に幸せな時間が1回あるということになり、子どもにとっても先生にとっても素敵なことだと思います。

自分で育てた食物を頂くという体験

低学年の生活科では小松菜やサツマイモ、ミニトマトなど、自分たちで食べ物を育てる体験をします。各自のプランターで育てるものは、休み時間に水やりに行ったり、話しかけに行ったりする子もいます。生活科の授業の時間が長く空いた時には、しっかり水をあげている子とそうでない子は、葉の様子や育ちを見れば一目瞭然です。水やりを忘れていた子は、授業で見に行った時に今までの水分を取り戻すようにその日にたくさん水をあげますが、それではいけませんよね。毎日のお世話が大切だということをしっかり伝えます。

プランターで育てるものは、日に日に成長する姿が見られるので食べるのが楽しみになります。土に埋まっているものは、収穫の日が一番楽しみです。小さな種が大きく姿を変えることに命の力強さを感じます。
 そして、収穫したものは、スイーツや料理の具にして美味しく頂きます。「種まき→世話(水やり、間引き、声かけ)→収穫→調理・食事」という一連の流れを体験することは、普段はあまり意識しない命の繋がりを感じられる貴重な経験です。また、自分で育てたものには特別な思いがあります。この気持ちを忘れずに、いつも食べている給食の1つ1つの献立にも、作ってくれた人の思いがあることを忘れてほしくないと思います。

想像力という隠し味

給食は栄養士の方が、栄養バランスや彩りに気をつけて、できるだけ色々な食材を食べてもらえるように考えて作っています。しかし、子どもたちは、いつもの給食は誰が作ってくれているのかをあまり意識しません。そこで、給食センターの方が定期的に教室を訪れて献立の説明をしてくれたり、一緒に給食を食べたりすることもあります。

子どもたちにとって、外食やお弁当を買って食事をすることが珍しくないことになっています。そこでは、ご飯を作った人の顔を思い浮かべることは少ないでしょう。よく「ご飯の美味しさは、誰と食べるかが大事」と聞きますが、「誰がどんな思いで作ってくれたか」ということも美味しさに大きく関係していると思います。
 「給食はみんなで食べるから美味しい」プラス「作ってくれた人の思いを想像する」ことで、さらに給食が美味しく、楽しい時間になるでしょう。そんな給食を通して、体も心も豊かになっていってほしいと願います。

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