進路指導についても、その仕事はさまざま。

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進路指導とキャリア教育のちがい。

進路指導は、子どもたちが将来の目標や進路を選択することをサポートする仕事。狭義では、進学先や就職先を決めることを意味し、主には中学校や高校の教師の仕事だ。小学校でも将来の進路について考えさせる活動は存在しているが、ほとんどの場合、それは「キャリア教育」とみなされている。

とはいえ、進路指導はキャリア教育のうちの具体的な一つの活動であると言え、この仕事もキャリア教育と同様、教師が子どもたち一人ひとりに自分の将来をイメージさせることから始まる。その上で、どこに進学すべきか、就職すべきかといった目標を考えさせるように働き掛ける。このとき教師が行うのは、子どもたちの情報収集のサポートと、目標設定の際に適切なアドバイスを行うことだ。

たとえば、進路全般に関する情報を集めたり、各学校の学校案内を用意したり、子どもたちに新聞やインターネットでの情報の調べ方を教えたりする。その上で面談を行って、最終的には子どもたちが自分自身で意思決定ができるように指導をしていくのが教師の仕事だ。

進路指導はさまざまな情報を整理し、子どもや保護者の意向に耳を傾ける。

教師側の資料として(特に中学や高校では)子どもたちに「進路調査票」などを記入させる学校も多い。調査票の項目は、子どもたちがその時点でどういった進路希望を持ち、どのような考えに基づいて進路を決定しようとしているかを教師が知ることができるように作成する。逆に言えば、調査票の項目に記入することで、子どもたちは自分が何を決めなければいけないかを知り、そのために何が必要かをじっくりと考えるきっかけにもなる。

また、中学校や高校での進路指導では、子どもたちだけでなく、保護者の希望や意見を聞くことも重要なこと。そのために、多くの学校では進路決定のための三者面談を行う。三者面談は、子どもたちの希望に保護者や担任の願いを織り交ぜながら、進路希望の実現に向けて今後の生活に確かな目標を持たせる場。教師は話し合いが有意義なものになるよう、十分な準備をして臨む。このときに教師が事前にそろえておくのは、過去の入試データや今年度の募集要項といった進路についての情報と、子どもたちの自己評価、学習状況、進路希望記録など個人についての情報。これらに加えて、学校説明会・入試相談の情報があると話は進みやすい。面談では、子ども、保護者双方の希望をよく聞きながら、方針をまとめていく。進路決定は子どもたちの希望が最優先ではあるが、 子どもたちや保護者の情報不足によって適切な進路決定ができないことにならないよう、教師が積極的に助言を行うことも大切だ。

「ゴールまで」を指導するのが進路指導。

子どもたちが、それぞれの決めることができれば、そのための計画を具体的に考えさせ、教師は必要に応じて進捗を管理し、確認する。このとき、子どもたちが自らの目標を諦めてしまうことがないよう、こまめに声を掛けて、励ますことも必要だ。また、目標そのものは個人個人で異なるとはいえ、学級全体が仲間と協力し、励まし合ってゴールに向かう雰囲気が生まれるように努めることも、教師の重要な仕事だと言える。

一方、この時期の教師にはもう1つ仕事がある。それは、受験校や就職試験の受験先に送る調査書を作成すること。これは合否を 判断する材料にもなるため、細心の注意を払い、正確に記載しなければならない。そのため、非常に緊張感が伴う仕事だ。調査書の様式や記載内容などは各都道府県ごとに定まっているが、大きく分けて、「学力に関する部分」と「個人の性格や行動の記録の部分」で構成されていることがほとんどだ。学力に関する部分には、学校での成績(通知表の数字)、個人の性格や行動の記録の部分には欠席・遅刻の日数や部活動の記録、生活態度などを書くことになっている。

そのほか、高校では、推薦入試やAO入試を希望する生徒のために面接や小論文・作文の指導を行ったり、就職を希望する生徒には企業やハローワークへの訪問、履歴書の記入の指導や面接の練習などを行うこともある。

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