部活動は、「部員」と「顧問」ではこんなに違う!

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練習場や予算の確保など、子どもたちからは見えない仕事も。

部活動の仕事について、自分自身が生徒だったころは、顧問の教師が指導や引率をしている姿しか見ていなかったかもしれない。しかし実は、それは部活動に関わる仕事の一部に過ぎない。部活動の顧問には、それ以外にもさまざまな仕事がある。

まずは、部の活動を成り立たせること。運動部なら校内の運動場や体育館、文化部なら音楽室や理科室といった練習場所を確保する。とりわけ運動部では、学校内の限られた場所をほかの部と公平に分け合うために、こうした調整が欠かせない。例えば体育館であれば、土曜日の午前中は男子バスケット部、午後は女子バスケット部だとか、教師同士で調整し合っていることがほとんどだ。そうした調整の中で、場合によっては校外に練習場所を求めることもあるが、それには手続きや申請を行わねばならない。運動部では、地域や種目によっては部員を協会や地域の連盟に登録することも必要で、これも大会の出場には欠かせない手続きだ。

さらには、用具や備品の購入など、部活動にはお金も必要となる。このお金は、学校から各部に割り当てられた費用の中でまかなうのが基本だが、それだけでは不十分だったり、大会への参加や遠征、あるいは傷害保険への加入などで日常の運営以外の費用が必要になったりすることもある。そうした場合には、保護者に理解をしてもらった上で一定の部費を徴収することもあり、顧問の教師がそのお金を適切に管理する必要がある。

部員との調整、そして校内・他校の先生、保護者との調整も教師の仕事。

次に、部の活動計画を立てる。ちなみにこのことは、毎日の細かな練習メニューや活動日程を決めることだけを意味しているわけではない。初めに、「県大会をめざす」「自治体のコンクールに出る」など、活動にあたっての大きな目標を決める。そして、目標が決まったら、「そのためには毎週何日、1日当たりどれくらい練習するべきか」といったことについても決める。また、あくまでも楽しくやることを優先するのか、勝つために厳しい練習でも厭わないでやるのかといった活動方針を決めることになる。

ただ、こうしたことは、教師が一人ですべて決めようとする必要はない。 むしろ、上級生の引退や、大会が終わった際、あるいは長期休暇の前などのタイミングで生徒と一緒に話し合い、しっかりと共有しておくことが大切だ。それによって、部員の一体感や練習の質が左右されるからだ。とりわけ近年では、部活動の運営においては、教師の方針に生徒が合わせていくというよりは、生徒のニーズや合意を大切にして活動していく傾向が高まっている。

こうして活動の方針を決めたら、それに応じて、教師はほかの学校の教師と交渉をして、練習試合や合同練習などを決めていく。これには、他校の顧問の教師との人脈やコミュニケーション、人間関係が重要になってくるので、教師同士のヨコのつながりが非常に重要だ。さらには、他校に行くケースは、そこまでの交通手段も考えておかなければならない。場合によっては保護者の協力が必要となるので、保護者ともコミュニケーションをとって、活動全般について理解をしていただくことが欠かせない。その上で、部の活動方針や試合の予定をきちんと保護者に伝えておくことが重要だ。

このように、生徒との関係だけではなく、校内の他の部活動の顧問の教師や、同じ部活動の顧問をしている他校の教師、さらには保護者など、部活動がきちんと運営されるためには、さまざまな関係者との調整やコミュニケーションが求められる。

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